こんにちは、たかぎです🦥
社労士試験の合格発表から約2ヶ月が経ちました。
合格発表までは、
各予備校の予想合格点を確認したり、合格点の予想を行っているブログを読んだりして、
一喜一憂する日々…
合格発表日に自分の番号を見つけたときには、
それまでの苦労や不安が吹き飛んでしまうほど嬉しかったです。
そして、合格の喜びも少し落ち着いた今、
改めて考えていることがあります。
3年に及ぶ受験期間の中で、費やした学習時間はおそらく1,000時間を超えています。
この1,000時間は社労士を目指していなければ、別のことを実現できたかもしれない貴重な時間です。
今回の記事では、
社労士試験受験によってメリットは得られたのか、
改めて考えていきたいと思っています。
「一般企業の労務を担当していて、社労士試験にも興味がある。
だけど、難しい試験と聞くし、あえて受験する意味ってあるんだろうか…」
と受験するか悩まれている方の参考になれば幸いです。
社労士を受験したことで得られたメリット
労務業務に役立つ知識が得られた
社労士試験のほとんどの科目は、労務担当者としての業務と関連があります。
頻繁に業務に登場してくるものとしては、
【労働基準法】全般
【労働安全衛生法】安全衛生委員会(衛生委員会)、産業医面談、健康診断
【雇用保険法】高年齢雇用継続基本給付金、育児休業給付金
【健康保険法】標準報酬月額、標準賞与額、傷病手当金、出産一時金
【厚生年金法】標準報酬月額、標準賞与額、在職老齢年金
【育児介護休業法】育児休業、介護休業
などが挙げられます。
上記で挙げたものは、社労士試験で出題される内容のほんの一部ですが、
実際に業務で使う知識を体系的に学ぶことができた
ことは業務を円滑に進める上でプラスになりました。
労務担当者向けの
・給与計算研修
・育児休業研修
などは過去に受講したことがありますが、
社労士試験の学習範囲は、
これまで研修で習ってきたことよりも遥かに多岐に渡り、
内容も深いです。
労務関連の法改正を正しく理解し、業務に落とし込めるようになった
毎年、社労士受験生を悩ませる「法改正」。
私も例に漏れず、最後まで法改正と戦い続け、
社労士試験当日に持ち込んだテキストは「社労士V 法改正総まとめ」でした。笑
そんな法改正ですが、労務に携わる限り、合格後も学習し続ける必要があります。
例えば、令和4年の法改正で挙げるとすると、「雇用保険料率の改正」。
通常年だと、年度の当初(4月1日)に当年度の料率に改正され、
その後1年間同じ料率が使われますが、
令和4年度は年度途中(10月1日)で料率が再度改正されました。
この改正は労務業務の一つである「給与計算」に直接影響を与えるもので、
料率改正月の給与計算時、
社員から控除する雇用保険料の料率を改正後の率に変更する必要がありました。
このように業務に直接影響を与える法改正が、各法律ごとにポツポツと発生します。
その度に、
「法改正情報を正確に理解し、業務に落とし込む」
必要がありますが、
この力は社労士試験の科目学習を通じて得ることができたと考えています。
社労士試験は法改正のオンパレードです。
受験歴を重ねるほど、「また今年も改正か…」と学習がしんどくなります。
短期合格を目指すことが吉です。
「労務」という仕事を好きになることができた
私は単純な人間なので、
「他の人より分かること」「他の人よりできること」
に対しては思い入れが強くなりますし、
今よりもっと知りたい!
もっとできるようになりたい!
と向上心が湧いてきます。
社労士試験を受験したことにより、
労務が「他の人より分かること」「他の人よりできること」になり、
労務という仕事に対して愛着が湧くようになりました。
正直、労務として働き始めた頃はこんなことになるとは思っていませんでした。
難解な法律に戸惑い、
絶対に間違えてはいけない給与計算に泣き、
いつも途方に暮れていたことを思い出します。
経理担当者に詰められることも日常茶飯事で、(自分が悪い)
当時は辛かったです。
ですが、
●運良く、良い同僚・良い上司に出会い、業務をサポートしていただいた
●難解でつまらない法律達ともどうにか交流を深めようと、社労士試験に挑戦した
ことで、労務という仕事を好きになることができました。
労務に配属された時の当時の上司に
「この部署は一年目覚えることが多くて大変なんだよ…
でも毎年同じイベントがあって、段々楽になってくるから大丈夫!」
とよく声をかけられました。
今振り返ってみるとその通りで、
年々業務が楽に・楽しくなっています。
「好き」になるには、「慣れ」も大切ですね。
社会人としてやっていける自信がついた
私は元々仕事ができるタイプではありません。
覚えも要領も悪いタイプです。
社会人1年目からなんとなく自覚はありましたが、
接客部門から労務に異動となった時、疑惑から確信に変わりました。笑
加えて、当時勤めていた会社は2〜3年おきに他部署への異動があったこともあり、
「『やっと業務に慣れてきたと思ったら異動』の繰り返し。
このままだと能力の低い自分は、一生何も身につけることができないんじゃないか…」
と焦りを感じていました。
そんな中で始めたことが、社労士試験の学習です。
「新しいことを覚えることが辛いなら、今やっている労務に誰よりも詳しくなろう。」
そちらにシフトした方が、自分も働きやすく、所属組織のためになるなとぼんやり考えていました。
そして、社労士の学習を始めて3年が経ちました。
試験に無事合格し、
現在も当時と変わらず一般企業の労務に従事しているわけですが、
最近になってやっと、
「私、社会人としてちゃんとやっていけそうだな」
と自信が持てるようになりました。
業務中、
「社労士試験で得た制度や専門用語の知識」や「これまでの業務経験」を活かして、
場面に応じて適切に対応できるようになったことがその理由です。
自信を持って仕事ができることって本当に楽しいな、と日々感じています。
社労士を受験したことで失ったもの
20代の貴重な3年間
20代〜30代の女性にとって、
1年の価値は色々な意味で大きいと思います。
1年どころか3年も試験勉強に費やしてよかったのか?
プライベートと天秤にかけて正しかったのか?
正直答えが出ません。
最終的には合格できたからよかったものの、紙一重で落ちていたらと思うと…恐ろしくなります。
ただ1つ確実に言えることは、
何度人生をやり直しても、同じように合格するまで試験に挑戦しただろうということです。
専門性がないまま、あと何十年も仕事をやり過ごしていくなんて、
こんなに自分にとって情けないことはありません。
労務以外の「適性があったかもしれない」仕事に就く可能性
私は、社労士の学習を始めたとき、
労務領域を自分の専門とすることに決めました。
専門を持つということは、
他の専門で生きていく道や、
特定の専門を持たずしてゼネラリストとして生きていく道を断つことでもあると思います。
そういった別の可能性を断ってまで、
労務を専門として選んでよかったのか?
私に労務の適性はあったのか?
自分でも、未だによく分かりません。
「もしかしたら、もっと自分に向いている職業があったかもしれない。」
10代で自分の専門を決める方が多くいらっしゃる中で、
社会に出てしばらく経つ者が、
こんなことを考えるのも情けないと思ってしまいますが、
たまにふと考えてしまいます。
それでも、自分で選んだ道ですから、後悔のないようにこれからも頑張っていくしかないですね。
過去の自分に顔向けできる自分でありたいと思います。
【まとめ】私は受験して正解でした
あえて「私は」と限定したのは、受験した方が良いか否かは、その人によるとしか言えないからです。
ただ個人的には、受験を迷われている労務担当の方には、ぜひおすすめしたいと思っています。
たとえ最終的に合格まで辿り着かなかったとしても、それまでに学んだ知識は消えませんし、
実際の業務に活かせるものも多いので、十分に受験する価値はあるでしょう。
受験を悩まれている方は、ぜひ検討してみてください!
試験勉強と真剣に向き合うことで、「労務知識」が仕事の武器になります。
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