【労務歴4年・社労士合格者が語る】「労務」に向いている人・向いていない人

労務

「『労務』に異動になったけど、ちゃんとやっていけるのかなあ…」

「『労務』に興味があるけど、私には適性があるんだろうか?」

と、お悩みのみなさんへ。

労務歴4年の私が、

自分自身のことやこれまで出会ってきた上司・同僚のことを振り返りながら、

・どんな人が労務に向いているのか

・どんな人は労務に向いていないのか

ご紹介していきたいと思います。

ここからはあくまでも私の主観になりますが、あしからず…

向いている人

愛想が良く、話しかけやすいのに、口が堅い人

労務は他部門と比べると、社員対応の多い部門です。

「あの人きついから問い合わせたくないなあ」

と社員から思われてしまうようでは、まともに仕事を進めることができません。

そういう意味で最低限の愛想の良さ、話しかけやすさは必要だと思います。

そして、問い合わせ内容に関して、

社員のプライバシーに関連するものが多いので、

「この人なら関係者以外どこにも漏らさず、きちんと手続きしてくれるだろう」

と社員から信頼される「口の堅さ」も必要です。

愛想の良さや話しかけやすさと、口の硬さは相反するもののようにも思えてしまいますが、

これまで出会った労務担当者は、この2つを持ち合わせた方ばかりでした。

泥臭い仕事を正確にこなせる人

労務は日の当たらない泥臭い仕事が多いです。

例えば、給与計算業務に付随して毎年発生する「年末調整」。

社員から申請書類とその添付書類の原本を集め、所得税の年税額を計算し、精算する業務です。

この業務、言葉でまとめると大したことないと思われるかもしれませんが、

・提出してこない年末調整対象社員に何度も督促したり

・扶養や保険の入力に誤りがないかチェックしたり(ほとんどの方が何かしら間違っています)

・記載方法が分からない社員の問い合わせを受けたり

と、結構骨の折れる業務です。

この業務のタイミングだけ、スタッフを増員する企業や社労士事務所もあります。

締めがあるため、

スピード感を持って、

なおかつ正確に(誤りがあると再度年末調整を行う羽目になります)、まとめ上げる必要があるのです。

年末調整に限らず、労務の業務は全般的にこのような泥臭く正確性の求められるものが多いです。

このような業務をきちんと遂行できる人は、労務の適性があるといえるでしょう。

ナマケモノ
ナマケモノ

ちなみに私は「年末調整」が、どちらかというと好きです。

こういう場合は所得税が高くなるんだなとか、みなさん色々と節税対策されているんだなとか、気づきがたくさんあって面白いです。

エクセルが得意な人

労務業務のうち、おそらく8割くらいはエクセルに関連する業務です。

(特に中小企業)

・適切な関数をネットで調べて使うことができる

・既存のシートに入っている関数を、ある程度解読することができる

くらいのエクセルスキルは求められます。

「労務知識はあるけれど、エクセルというかPC全般苦手…」

という方が、特にご高齢の方に多く見られるのですが、

正直そうなってしまうと活躍できる職場はかなり限られてしまうかと思います。

労務知識と同じくらいか、それ以上にエクセルスキルは大切です。

ナマケモノ
ナマケモノ

と、偉そうなことを言っている私ですが、

私自身はエクセル初心者かつ労務初心者という状態で、

労務のキャリアを歩み始めました。

最初は本当に大変でしたが、

エクセルのことも労務のことも問題に突き当たるたびに調べ、

余暇に人一倍学習し、

一応労務担当者として一人前と言っていただける程度には、

成長しました。

法律や規程といった硬い文書を読みこなせる人

勤怠管理・給与計算→労働基準法

安全衛生委員会→労働安全衛生法

のように、

労務業務の背後には必ずと言っていいほど「法律」があります。

法律や社内規程は私たち労務担当者にとって、「業務マニュアル」と言っても過言でありません。

例えば、社員から

「今日6時間30分働く予定なのだけど、早く帰りたいから休憩取らないで帰ってもいいかな?」

と問い合わせを受けたとします。

そんな時、労務担当者は

「労働基準法で、6時間を超えて8時間まで働く場合は『少なくとも45分』の休憩時間

 を取得しなければならないと決められているので、きちんと休憩取ってくださいね…」

と答えられなければなりません。

(こういった質問は、実際には調べて折り返し回答を差し上げることが多いですが。笑)

法律や規程のような硬い文書に抵抗がなく、むしろ読みこなせる!という人は労務に向いていると思います。

ナマケモノ
ナマケモノ

私は労務として働き始めた当時、

法律や規程を読むことが苦手でした。

社労士試験の学習を始めてからは、

毎日法律に触れるので、

段々と文書の癖に慣れていったように思います。

学習意欲が高い人

労務担当は、社員の「最後の砦」です。

労務担当がよく学ぶ優秀な人であれば、

社員が

・病気に罹り、仕事を休まなければならなくなった時

・子どもが生まれて育休を取る時

などに、

最新の法律や制度に沿って対応しながらも、

それと並行して社員に不利益が生じないように上手く取り計らってくれます。

最新の法律や制度に沿って対応することも、

社員にとってベストな方法を提示することも、

座学によるものか経験によるものかの違いこそあれ、学習の賜物です。

労務担当者には「常に学び続ける覚悟がある人」が適任だと思います。

向いていない人

仕事が大雑把な人

労務は細やかさを要求される業務が多いです。

特に給与計算は「絶対に間違いが許されません」。

絶対に間違えられない業務を仕事が大雑把な人に任せるとどうなるか。

答えは火を見るよりも明らかですね…

仕事が大雑把な自覚がある方は、おそらく他の職業を選択された方が無難です。

真面目すぎる人

先に書きましたが、特に給与計算は「絶対に間違いが許されません」。

そのため、給与担当にかかるプレッシャーは結構大きなものがあります。

間違ったら終わりだと思い詰めてしまうあまり、

体調を崩してしまった知人もいました。

労務に「真面目さ」は不可欠ですが、「真面目すぎる」と自分が潰れてしまいます。

上手くバランスを取るために、息抜きの方法を見つけることが大切です。

ナマケモノ
ナマケモノ

私は、上司や同僚の労務担当とぶつくさ言い合ったり、

慰めあったり、励ましあったりして、

ストレス解消しながら何とかこれまでやってきました。

自己顕示欲が高い人

「仕事で成果を上げて誰よりも目立ちたい」

「人前に立つ華やかな仕事がしたい」

「人に認められ、賞賛されたい」

こういった願望を持っている人が、労務を目指すことはあまり考えられませんが、

万一労務を選択肢に入れているならば「絶対」やめた方が良いです。

労務は空気やインフラと一緒です。

必要不可欠なのに表立って評価されない、

上手く機能しなくなって初めてスポットが当てられる、

結構不遇なポジションです。

私個人はあまり目立ちたい人間ではないので、これくらいが安心感があって好きですけどね。

ナマケモノ
ナマケモノ

労務は賞賛こそされませんが、

「感謝」はたくさんされます。

社員の方に、

「ありがとうございました!おかげで助かりました!」

と言っていただけると、本当に嬉しいです。

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