【社労士・宅建士W合格者が解説】社労士試験の難易度はどれくらい?宅建士試験と比較してみました

労務

こんにちは、たかぎです🦥

社労士試験の受験をお考えのみなさん。

試験内容の難しさに心が折れそうになっていませんか?

かくいう私も、試験に無事合格するまで毎日心が折れていました。

ナマケモノ
ナマケモノ

雇用保険の給付金名が覚えられない…

国民年金と厚生年金が混ざる…

労働基準法簡単そうに見えるのに何故か点数が伸びない…

もうだめだ。

日を経るごとに、

「これ、本当に合格できるのかな?」

という不安がどんどん募っていくと思います。

そんなみなさんへ、

社労士試験合格者(R4合格)&宅建士合格者(R合格)でもある私が、

社労士試験の難易度を法律系国家資格の登竜門と言われる「宅建士」と比較して、

解説していきたいと思います。

先の見えない試験勉強で大変な日々を過ごされている皆さんの、お役に立てると幸いです。

社労士試験の「本当の」難易度を宅建士試験と比較してみました

学習時間

社労士試験合格、宅建士試験合格までには何時間かかる?

「社労士」「宅建士」それぞれの試験に合格するまでの学習時間は、

一般的には以下のように言われています。

●社労士…約1000時間

●宅建士…約300時間

上記のみで比較すると、社労士試験合格にかかる学習時間は宅建士の約3倍。

3倍であれば「かなり差がある」とも言えない差のように思えます。

ですが、2つの試験を実際に受験し合格した私からすると、

社労士試験合格までにかかる学習時間は1000時間より多い場合も多く

社労士・宅建士合格までにかかる学習時間の差も、実際には3倍より多いように感じています。

合格レベルに達しても合格できない「社労士試験」

「社労士試験合格までにかかる学習時間は、1000時間よりも多い場合も多い。」

これがどういった意味なのか、解説していきます。

宅建士試験と社労士試験の大きな違いの一つとして、

「合格レベルに達した後、すんなり合格できるか否か」

があります。

「合格レベルにあること=実際に合格できること」と思うなかれ…

宅建士試験は比較的その傾向がありますが、

社労士試験は合格レベルに達しても簡単に合格させてくれる試験ではありません。

その理由は、社労士試験の「選択式試験(特に労一)」にあります。

選択式試験とは、試験日の午前中に実施される試験です。(午後は択一式試験)

そして選択式試験は、

「8科目各5問出題され、各科目原則3問以上正解しなければ不合格」

というかなりシビアな試験でもあります。

試験の概要 | 社会保険労務士試験オフィシャルサイト
試験の概要 | 社会保険労務士試験オフィシャルサイトです。社会保険労務士試験に必要な証明書、申込書などのファイルをダウンロードできます。また、試験に関する最新情報を掲載しています。

加えて、選択式試験は足切り基準だけではなく、出題される問題もシビアです。

特に「労一(正式名:労務管理その他の労働に関する一般常識)」の問題は、

トリッキーなものが多く、多くの受験生を悩ませています。

近年では令和2年度試験で政府統計調査の名称を選ぶ問題が5問出題され、

「そんなの聞いてないよ…」「過去問でも勉強したことないよ…」

「全5問中5問とも統計名称だなんて嫌がらせにもほどがある」

と試験後のTwitterが荒れに荒れました。笑

結局この回の労一は受験者の正答率が悪く(当たり前)、

合格基準が原則の3点から2点に引き下げられたのですが、

これに限らず社労士試験には「問題ガチャ」があり、

合格が実力だけではなく運に左右される傾向があります。

こういった社労士試験特有の事情により、

合格レベルに達しているものの、問題ガチャに外れ続け、

受験期間(=学習時間)が伸びてしまう人も少なくありません。

ナマケモノ
ナマケモノ

直近令和4年度試験の選択式試験は、

基準点の引き下げが実施されませんでした。

これは、「正答率が低すぎる科目がなかった」ということを意味します。

今後の社労士試験はもしかすると、

トリッキーな問題をできるだけ出題せず、

実力通りに合格させる試験に変貌していくかもしれませんね。

学習内容

社労士試験と宅建士試験はそれぞれ何科目?

社労士試験・宅建士試験の科目数はそれぞれ以下の通りです。

●社労士…8科目
     (労働基準法・労災保険法・雇用保険法・労働一般・社会一般・健康保険法・国民年金法・厚生年金法)

●宅建士…4科目
     (民法・宅建業法・法令上の制限・税その他)

科目数だけで比べてみると、

社労士試験の方が宅建士の2倍あります。

社労士試験は「科目間の横断学習」が鍵

宅建士試験と社労士試験の大きな違いの2つ目は、

「科目間の横断学習」が必要か否か、です。

宅建士試験の試験科目は1つ1つの科目ごとに内容が独立しており、

科目間の横断学習がほぼ必要ありません。

それと比較して社労士試験の科目は、

1科目の独立性が低い上に、別科目であっても内容が似通っているがために、

常に科目間の横断学習が必要になります。

例えば、これらの傾向が顕著なのが「国民年金法」と「厚生年金法」です。

名称が似ているこの2科目ですが、

どちらも同じ「年金法」ですので内容もよく似ています。

(→別科目であっても内容が似通っている)

そして、国民年金法の知識がなければ解けない厚生年金法の問題があります。

(→1科目の独立性が低い)

社労士試験の学習では、上記のような近接科目について、

常に制度や条文を比較しながら学び進めることが大切です。

ナマケモノ
ナマケモノ

とはいえ、学習を始めて間もない時期から

横断学習に取り掛かることはハードルが高いです。

一通り科目別学習を終えてから、

横断的に学ぶ癖をつけましょう!

社労士試験ではより正確な知識が要求される

社労士試験と宅建士試験の大きな違いの3つ目は、

解答する上で求められる「知識の正確性」です。

宅建士試験はテキストの内容をざっくり覚え、

過去問10年分くらいを3〜4回復習して身につけた知識があれば、

合格できます。

それと比較して、社労士試験は、

テキストの内容を法律条文の「てにおは」を含め、正確に覚える必要があるのです。

過去問も過去問10年分くらいを3〜4回復習するだけでなく、

ほぼ正答できるレベルに持ってこなくてはなりません。

そんな努力をしても「問題ガチャ」で不合格になることもあるのですから、

なんとも不条理な試験です。

ナマケモノ
ナマケモノ

社労士試験ではよく、各法律の目的条文が出題されます。

これも正確に答えられるように、

毎日読み上げていました。

声に出して読むと、口が正しい文を覚えていて、

不思議と問題が解けるようになります。

おすすめです。

試験方式

ここまで、社労士試験と宅建士試験の相違点を取り上げてきましたが、

2つの試験には共通点もたくさんあります。

その1つが「試験方式」です。

どちらの試験も、

●マークシート方式
●年1開催
●会場開催

で共通しています。

社労士試験は体力勝負の長丁場!

そんな2つの試験で共通点も多い試験方式ですが、

もちろん違いもあります。

その1つが「試験時間」です。

●社労士試験…計290分(4時間50分)※午前(選択式)80分、午後(択一式)210分
●宅建士試験…計120分(2時間)   ※午後のみ

どちらの試験も試験時間が長く辛い思いをしますが、

社労士試験の午後は格別に辛いです。

午前の選択式で体力気力が消耗している中で、

択一式の長文をハイスピードで読み、

問題を解き続けなくてはならないのですから無理もありません。

長時間に及ぶ試験のため、お手洗いを済ますために席を立つこともできるのですが、

私にはそんな時間的な余裕もありませんでした…。

社労士試験は知識だけではなく、体力・精神力も要求される過酷な試験です。

ナマケモノ
ナマケモノ

本番の試験だけでなく、

模試や過去問演習も当然この試験時間で実施することになるので、

毎回ヘトヘトでした。

社労士試験は4、50代の受験者が多いですが、

彼らの体力には目を見張るものがあります。

社労士試験は「選択式」「択一式」を攻略せよ

2つの試験の試験方式の違いとして、

社労士には「選択式」「択一式」の2つの試験形式があることが挙げられます。

(宅建士は五肢択一の1形式)

「選択式」「択一式」は、出題方法・解答方法・合格基準点等が全く異なるので、

それぞれの試験形式を理解し、攻略する必要があります。

●選択式
 【出題方法】   8科目各5問出題、長文穴埋め形式
 【解答方法】   複数の解答肢から、1つを選択
 【合格基準点】各科目3問以上正答

●択一式
 【出題方法】   7科目各10問出題
 【解答方法】   五肢択一
 【合格基準点】各科目4問以上正答

それぞれの形式ごとに対策を取り、

どちらでも安定して合格点が取れるようになるには、

過去問演習を重ねたり模試に挑戦したりと結構な時間がかかります。

社労士試験合格までに乗り越えなければならない壁は、

一体何枚あるんでしょうか…

【まとめ】社労士試験は「知力・体力・時の運」

ここまで書いてきた通り、

社労士試験は宅建士と比べても圧倒的に難しい試験です。

なぜ難しいのかと考えると、

・学習時間がかかるから

・科目数が多いから

・求められる知識レベルが高いから

など理由は色々とありますが、

私が考える社労士試験最大の難しさは

「『総合力』が求められること」です。

知力が無くては「答えが浮かばず」問題が解けないですし、

体力が無くては「疲れて」問題が解けないですし、

時の運がなくては「未知のため」問題が解けません。

また、科目ごとに合格基準点が設けられているので、

全ての科目を合格レベルに持っていかなければならないという意味でも、

「総合力」が求められます。

私自身は最終的に無事合格できた身ではありますが、

運によるところも大きかったなと感じています。

これから社労士試験を受験されるみなさんについては、

「偏らよらず、総合力を高める」ことを意識して、

学習に励んでいただけますと幸いです。

ナマケモノ
ナマケモノ

苦手なことを避けて生きてきた私としては、

「総合力を高めること」は、

本当に難しいことでした。

「絶対に受かる!」という覚悟が、

自分を変えてくれたように思います。

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